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ハゼの歴史とはぜ蜜






実が和蝋燭の原料になり、その樹皮に解毒作用や止血効果もあるハゼの木。花期は5 ~6月、秋にはウルシ科特有の美しい真っ赤な色に紅葉する。雌雄異株の落葉小高木と言われていたが、最近(2003年)の研究で両性株も見られることが分かった。

 日本在来種のヤマウルシやヤマハゼを江戸時代に琉球から入ってきたリュウキュウハゼが駆逐し、それ以来リュウキュウハゼの品種改良が盛んに行われるようになった。植林して5年程で木蝋(Japan wax)が採取できるハゼは、ウルシオールが在来種よりも比較的少なく、かぶれにくかったために各藩が競って植林して広がったらしい。

 九州では今でも島原市、久留米市、水俣市などで多くハゼが植林され、その実から和蠟燭や鬢付け油の原料になる木蝋が生産されていて世界に向けてJapan waxとして輸出しているそうだ。

 現在では粘度が高く、しかも粘着性が低いという性質からCDなど工業製品や作業用油、ハンドクリームや薬用軟膏に使用されることが増えてきている。少しずつSDGsに適した素材としての需要が増えているそうだ。

 熊本県では加藤清正公が経済政策として植樹した10万本をはじめ現在でも多くのハゼノキが残存しており、野生化しているハゼもある。有名なのは水俣市の侍街道はぜのき館だが、県内いたるところにハゼノキが普通にみられる。山に入っていつの間にかハゼ負けしたという経験のある方も多いと思う。

 そのハゼの花の蜂蜜は、薄い琥珀色で、ほのかな心地よい香りが有り、食べ始めは独特のピリッとした風味があるが、後味がミントのようにすっきり。日本でも珍しい蜂蜜で、最後のスーッとした感じは、アカシアよりもさっぱり。暑い朝のヨーグルトやバニラアイスにかけるのがおすすめ。ストレートの紅茶に入れるとなんちゃってミントティーに。

 ハゼにウルシオールというかぶれる成分があるのに蜂蜜は大丈夫なのかと思う方もいるかもしれませんが、ハゼの場合は大丈夫。毒のあるレンゲツツジの蜂蜜は歴史上有名ですが、これは花蜜の中に毒が含まれているもので、花を食べても中毒することがある。

 多くの蜂蜜に毒はなく、ミツバチの多大な努力による加工で熟成され、抗菌作用のある優秀な甘味料となります。カロリーは砂糖の約半分。

 九州特有のハゼ蜂蜜、地産地消です。

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